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認知症の人と家族の会『つどい』
認知症の人と家族の会滋賀県支部に、世話人として関わらせていただくようになってから約5年になります。
世話人メンバーには認知症のご家族の介護経験者が多く、毎月の世話人会と『つどい』、広報活動などに参加させていただきながら学ばせていただいております。また、世話人メンバーには他にも介護福祉士や作業療法士、ケアマネージャーなどもおられるので、専門職ならではの視点も勉強になります。
メインの活動としては、無料の電話相談(0120-294-473 毎週 月~金曜日10:00-15:00 祝日・お盆・年末年始は休み)、広報誌の発行、そして県内22か所で『つどい』を開催しています。最近は2か所の『つどい』に毎月顔を出させていただいているのですが、そこには「家族が認知症と診断されまして」とか「数年前に若年性認知症と診断された」という当事者さんもときどき参加されて心のうちを語ってくれています。
初めて参加したという方が、「来てよかった」といって明るい表情で安心したように帰って行かれる姿を見ると、『つどい』というものの存在意義は大きいなと実感します。
この『つどい』、話をじっと聴いていることもあれば、ゲームをすることもあります。クイズをみんなで一緒に考えるのも楽しいです。また、『つどい』のひとつはすぐそばに地域包括支援センターがあるので、そこの職員さんもときどき参加して現状や利用できる社会資源について説明してくれます。オンラインで参加できる『つどい』もあるので、時折遠く離れた場所の介護施設の職員さんも参加されます。
ときどき顔を出してくれる当事者さんは、診断される少し前から違和感を感じ、病院で診断され違和感の原因がわかったことでホッとしたそうです。向き合うべきものが何かがわかるということが大きな一歩となったのでしょうか。
彼はいまでは積極的に講演会で登壇し、経験や心情を話しておられます。ほかにも同様に講演をされる当事者の方とも交流し、あちこちの舞台で対談形式で話をしておられます。
「受け入れることも困難なことで家族以外には言えないような風潮だったと思うのに、患者数も増え情報があふれてきたからか、近所の方にようやく『家族が認知症なんです』って言えたんです」。先日の『つどい』で参加者の一人から出た言葉です。そして、「これで万が一何かあっても助けてもらえるかもしれないと思ったら、少し気が楽になったんです」と言われました。
認知症のことをもっと知って、もしどこかで困ったことになっても誰もがお互いに気にかけ合えるようなやさしい町になればいいなと思います。そして、そんな町の住人でありたいと思います。
きれいごとのようなことを書いてしまいましたが、自分にも起こりうる話として「ひとごと」では済まされないと思っています。