終活 - 行政書士スギモト事務所
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終活

「終活」 考えておきたい10のこと


何から始めるべきか・・・終活はできることから

エンディングノートを見てみると、たくさんの項目があって一体どこから手を付けるべきなのかわからないということがあるかもしれません。

まずはノートをパラパラめくってみて、自分が書いてみたいこと、書き残しておきたいことをノートの項目から見つけてみましょう。

エンディングノートの中身を見てみたときに、ふと「これなら書ける」という箇所がみつからないでしょうか。そこからでいいのです。

たいていの市販のエンディングノートには、「大切な人への感謝の気持ち」を書く箇所があります。「最後に誰に言葉を残したいですか?」と聞かれて浮かぶ顔はありますか?

たくさんいすぎて絞れない、とか、一人だから残す言葉も相手もいない、とか、人それぞれですが、その人のケースに沿った終活のやり方があります。ご自身が納得のいく終活について、一緒に考えてみませんか。

終活の方法や将来の準備など、ご相談ください。

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終活の目的

終活の目的は、自分の死後に、できるだけ家族や周りの人が困らなくてもいいようにするためのものですが、自分のこれからの人生と向き合ういいきっかけにもなります。

そして、エンディングノートを書き進めていると、自分でも気づいていなかった「考えておくべきポイント」というものが分かってきます。お墓のこと、お葬式のこと、ペットのこと、まだ生きているけど意思表示が出来なくなってしまった場合(例えば認知症とか障害、事故や病気によって意思表示ができなくなってしまったときなど)に、書いておけばよかったと後悔しそうなことに出会うかもしれません。

改めて、「終活」の意味を考えてみましょう。

「終活」とは・・・考えておきたい10のこと

終活について考えるタイミングはひとそれぞれです。また、準備しておきたいことも人それぞれです。とはいえ、少なくともこれだけは考えておきたいと思われることを10個挙げてみました。

1.今までの人生の振り返りと、これからの生き方プランニング

今までの人生を振り返ってみます。楽しかったことも辛かったこともあると思います。小さかったころの自分から大人になってからの自分、傷ついたり傷つけたり、この人生、それなりにいろいろあったな~と懐かしい気持ちになるかもしれません。

振り返ってなんになる?と思われるかもしれませんが、もしかしたら、忘れていた『やり残したこと』を思い出すかもしれません。今後の新しい目標になるかもしれないし、趣味が一つ増えるかもしれませんね。

そんな風に振り返ってチャレンジできることを見つけて、「いつから始めようか、今でしょ!」と計画を立てたりして今後の人生がより豊かになるなら、それはステキなことですよね。

2.飲んでいる薬のこと

終活だからといわず、これは思い立ったらすぐに書いておくべきことです。

突然の交通事故で病院に運ばれた!というとき、いま治療を受けているけど、持病や飲んでいる薬との相性はどうだろうか!なんていう心配、ありませんか?

少なくともメモや薬屋さんでもらう明細を持ち歩くか、家族に連絡がいったときにすぐに病院に伝えてもらえるように、普段から準備をしておくことは重要です。

また、将来、薬の管理をしてもらったり介護をしてくれる人に見てもらうなど、その情報は大いに役に立つでしょう。

3.介護や医療の希望

もしも介護が必要になった時、誰にどこで介護をしてもらいたいですか?家で家族に?それとも施設に入る?

家族は『自分たちでなんとかしなければ』と頑張ってしまうかもしれません。そんなときに、本人の希望を知ることができたなら、家族は気持ちが楽になるかもしれませんね。

いつまでも言葉を発することができればいいのですが、そうとも限りません。いつまで家族と一緒にいるか、どうなれば施設に入るか、どんな施設に入るか。自分で考えを示しておくことはとても大切なことです。

医療についても考えてみてください。病気や交通事故で瀕死の状態になったことを想像してみましょう。

回復の見込みがないのに、家族が延命を希望すれば医師はそれに従い、人工呼吸器をつけて胃に穴を開けるなど処置をします。でも、一度そうなるとなかなか外せなくなります。どんな状態でも生きたいのか、それともそれを望まないのか、縁起でもないと思えるかもしれませんが、元気な今だからこそ考えられることだと思います。

延命治療の要否について自分がどう考えているかを家族が知らなければ、家族が「治療をやめるか続けるか」を決断することになります。そんな重い決断のとき、家族が本人の希望を知っていたら、少しだけ気持ちが軽くなってくれるかもしれません。普段から家族と話しておくといいですね。

これを書面にして残すこともできます。「尊厳死宣言書」といいます。インターネットでちょっと検索すれば、ひな形が出てきます。これを公正証書にすれば費用がかかりますが、公証人が本人の意思を確認しながら公正証書にしてくれます。

4.お金やモノの整理

なにをどれだけ持っているか要確認です。財産なんてないし~と思われるかもしれません。ですが、なにをどれだけ持っていて、また、借りているか、返さなければならないか、など、どこかに書いておくのがいいでしょう。自分以外のご家族がそれらをきちんと把握しようとすると大変な作業になります。例えば預貯金口座は、ネット銀行など通帳がない口座も多いですから家族には見つけられない可能性もあります。預貯金に限らず、絵や骨董品、時計や車、高額な楽器、月々課金されるものなども、自分にしかわからないものではないでしょうか。

自分がいなくなった後、それをどうしておきたいですか?希望があるならいま遺言書やエンディングノートに書いておくいい機会かもしれません。
あるいは、生前整理をするのもいいと思います。断捨離が流行っていますが、これも終活の一つです。趣味で集めたものなどは、自分には大事なものですが、家族にとってはそうではないこともあり、そのままで亡くなってしまったら家族はどのように処分すればいいのか困るかもしれません。

元気なうちに生前整理を行って、財産を価値のあるものとないもので分けて把握しておくなど、持ち物のリストアップをしておくといいかもしれません。死後の片付けのときの家族のモメ事予防に役立つ可能性があります。

5.遺言書/家族・知人へのメッセージの作成

亡くなってから家族へ意思を伝える書類には遺言書や遺書などがありますが、遺言書と遺書では果たす役割も効力も異なります。

法的効力がある遺言書には、自筆証書遺言と公正証書遺言(他にも秘密証書遺言)があります。また方式には普通方式と特別方式があります。たいていは普通方式です。特別方式には、伝染病で隔離されている場合にも作成できる遺言があります(民法977条)。

遺言書には付言事項(家族への感謝のメッセージや遺言書の内容の理由など、法的効力を持たない内容)を書くことができます。例えば、介護に時間と労力を割いてくれた人に財産を多めに残したいときに、その理由と共に感謝の想いを書いておくことで、家族が遺言書の内容に納得してくれるかもしれず、後に相続人間で争いになることを防止できるかもしれません。これらはすべて、生きているうちにしかできないことです。

6.葬儀

理想のお葬式の形はありますか?流してほしい曲とか、飾ってほしいお花の種類とか、棺に入れてほしいものとかはありませんか?

呼んでほしい人やメッセージを伝えたい人はおられないでしょうか。最後のわがまま、叶えてほしい形があるなら、エンディングノートを利用するなどして家族に伝えてみましょう。

7.埋葬の仕方

お墓はありますか?先祖代々のお墓でしょうか。理想の埋葬の仕方は?思いがあるならその思いを伝えましょう。また、お墓を誰かに委ねることが負担になると思ったなら、一度ご家族で話し合ってみましょう。負担になるから・・・とか、迷惑かけたくないから・・・とかもんもんとしていることも、話し合ってみることでスッキリするのではないでしょうか。ご家族も聞いておきたいかもしれません。

8.ペットの養子縁組

家族のように大切なペット。一緒に暮らしてきて、癒しを与えてくれたペット。もしも自分が先に亡くなることになったら、この子の面倒を見てくれる人をみつけなくては・・・。

「わたしが亡くなったらこのお金で面倒をみてね」と、お金を預けたうえでペットのお世話をお願いしておく負担付遺贈などといった手段があります。準備をしておけば、安心してペットと共に余生を過ごせるかもしれませんね。

※負担付遺贈は受遺者(負担付贈与を受けた人)が遺贈を拒否する場合もあります。事前に相手の方と話し合っておくことをおすすめします。また、相手が拒否した場合は相続人全員で話し合うことになります。

9.財産の振り分け・相続税対策

財産なんかないから・・・と思ってしまうかもしれません。でもちょっと待って。自分にとってはちょっとしたことでも、家族にとってはケンカの種になったりするのです。相続財産に関する遺産分割事件のうち認容・調停成立件数中、遺産の価格別に公表されている統計をみると、全体の約7.6割は資産総額が5,000万円以下の家庭で起こり、そのうち約7.5割が1,000万円以下です(令和3年司法統計第53表より)。

財産の額に関わらず、相続人同士の人間関係が影響している部分も多いかもしれませんが、財産の振り分け方に希望があるなら遺言書を準備しておきたいところです。例えば会社を守るために経営権を一人に集中させたいが、他の相続人が黙っていなさそうな兆しがあれば、しっかりと意思表示をして万が一のために遺留分の準備をしておいた方がいい。

また、負債があるならそれも書いておいた方が家族のためです。相続放棄するなら、相続が起きたことを知ってから3か月以内にその申し立てをする必要があるのですが、負債は請求書や督促状など書類が届くまでその存在がわからない場合もあるので、相続人は相続財産に負債がないと思ってそのまま3か月が過ぎてしまいがちだからです。家族が相続を放棄するか受け取るか早めに判断するには、負債の情報は必要な材料となります。

※連帯保証人になっていたなど、将来請求される恐れがある場合には相続の限定承認という手段もあります。ただし、相続放棄は自分だけでできますが、限定承認は相続人全員で行わなければなりません。

また、自分でも忘れているものがあるかもしれません。エンディングノートに書きながら思い出すこともあるかもしれませんが、もっといえば生前整理をしてみると、思いもよらないものが出てくるかもしれないですね。このように財産を整理してみると、相続税の対策も考えやすくなります。誰に何を相続させるか、相続税控除の恩恵を受けるにはどうすればいいか。対策も練りやすくなります。

10.死後に必要な事務手続き

死亡届や公共料金の停止手続、最期の病院費用のお支払、遺言書の内容の実行など多くの手続が待っています。ご自宅の処分が必要な場合もあるかもしれません。賃貸であれば引き払って賃貸人に明渡す必要もあります。期限が決まっているものもあって、なかなか大変です。パソコンのパスワードやSNSのアカウントなど自分にしかわからないこともあると思います。遺言書に書けないことはエンディングノートを準備しておくのもひとつですね。

終活の効果

・準備しておくことで慌てなくてすむ
・後悔が少ない
・家族や医療者・介護者に自分の意思を知ってもらえる
・これからの生き方が明確になり、不安が減る
・これからの経済的な目途が立つ
・家族も「もしも」のときの準備ができる
・しきたりや家族のルーツなどの申し送りができる

   家系図もこれらを次の世代に伝える大切な道具になります。   

たくさんやることがありそうですが、なにからやればいいのか。

ご自身が気になるところ、手を付けやすいところからやればいいのです。

気になるところの備えができたら、あとは安心して過ごせますね。

「しまった!何もしてなかった!」を少しでも減らすことができますように。

いろんなケースがあります。

不安がひとつでも消えるように、問題を一緒に考えてみましょう。必要なときは税理士、弁護士、司法書士、宅地建物取引士、社会保険労務士、遺品整理士とも連携します。

行政書士スギモト事務所がサポートします。

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