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エンディングノート
エンディングノートの役割
エンディングノートの役割をひとことでいうとしたら、「いざというときの備え」でしょうか。まるで生命保険みたいですが、ある意味では両者は似ているかもしれません。
もしも、病気やケガで倒れて意識ももうろうとしている状態だとしたら、このときに一番悲しんだり困ったりしているのはあなたの家族であったり、同居人であったり、友人であるかもしれません。とにかく、あなたにとても近い人です。
その人は、倒れたあなたのことをどうすればいいのかわからず、医師の、たとえば「アレルギーはお持ちですか」や、「延命治療はしますか?」といった質問にどう答えればいいのかわかりません。右往左往しながら、必死で医師にどう返事をしたものか困っているでしょう。
アレルギーも延命治療も、命に直結する問題です。アレルギーのことなら、これまでの付き合いの中で知ってるかもしれませんが、延命治療が必要かなんて、どう答えたらいいでしょう。
自分を残していってほしくないし、一日でも長く生きてほしい。でも、本人は苦しいかもしれない。また、治療に時間がかかるとその分治療費がかかります。果たして、延命治療をしたことで、元気な姿に戻ってくれるでしょうか。それより、本人ならどう決断するでしょう。。。(尊厳死宣言書に関する記事もご参考に)
エンディングノートは、いざというときに、自分の希望を自分の代わりに伝えてくれる道具です。この道具がなかったら、こんな大事な決断を、大切な人にさせなければならないかもしれないのです。それを回避するのが、エンディングノートの役割のひとつと言えます。-
遺言書との違い
エンディングノートには幅広い内容を書くことができます。
生まれてからこれまでのこと、健康のこと、財産のこと、お墓やお葬式についての希望、友人知人や家族、親戚の情報、携帯電話やパソコンのことまで。
ただ、これらは希望として書くことはできますが、法的効力はありません。つまり、「お願い」です。
一方で、遺言書は、有効な場合には財産に関する部分等については法的効力があります。
「お願い」に留まらず、優先して実行してもらえます。しかし、遺言書にはあまり幅広い内容を書くことはできません。メッセージを書くことはできますが、単なる「付言事項」として扱われることになります。
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人生の道しるべ
エンディングノートは自分の人生の振り返りになります。
書くことで、自分のことが改めてわかったり、やりたかったことを思い出したり、懐かしい人に連絡を取ってみたくなったりして、わくわくするかもしれません。
そうやって書いていくことで、意思を書き残せたことの安心感、さらには、残された今後の人生の時間をどう生きていきたいかが見えてきて、今後の充実した人生のヒントを得られる可能性があることも、エンディングノートの役割と言えるでしょう。
エンディングノートの書き方ワークショップを開催いたします。エンディングについて考えるきっかけにしていただければと思います。
行政書士スギモト事務所がサポートします。
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